背 景


桜井駅南エリア桜井駅南エリアを中心とする市街エリアは、東西に伊勢街道、南に多武峰街道、北に山の辺道が連なる地域にあり、古来より歴史的な街道筋として要所にあります。 古くは宿場町、戦後は木材産業の集積地として栄え、JRと近鉄が結節する至便性もあり、桜井本町通は奈良県内三大商店街のひとつとして、奈良餅飯殿。高田天神橋に並ぶ賑いを見せ、多くの来街者を迎えていました。 しかし、中和幹線沿い開発に伴う大規模量販店やショッピングモールの進出、地場木材産業の衰退、商店主の高齢化や後継者難に伴う廃業等により、本町通りや駅前の商店街は大きく後退し、文字通リシャッター商店街の状態となり街の様相は大きく変化してしまいました。

こうしたなか、この街をどうにかしたいという思いの商店街店主や周辺地域の住民が結集し、桜井本町通・周辺まちづくり協議会を2011年に発足させ、「桜井らしさを醸す歴史的な景観を残しつつ、訪れてよし・住んでよしのまちづくりを目指し」、活動を開始しました。ソラほんまちフェスタなど賑わいイベント、空き町家・空き店舗を活用したHANARART(芸術祭)、町なみ調査・住民ニーズアンケートやヒアリング調査、つながりカフェ・名画座・活き活き講座などの月例イベントを開催し、街の活性化に向けて活動を実施してまいりました。

こうした活動をしつつ、今後の街のあり方を考える住民会議や桜井駅前南エリアビジョンづくりなどのワークショップを通算数十回重ね、2020年に向けて、ありたい姿として「"桜井らしさ"を活かす、"木"を活かす、ワンランク上の歴史、資源・ライフスタイル にぎわいあふれる住み良いまち さくらい」を掲げ、5ヵ年計画を策定しました。

設立の経緯


まちづくり協議会このビジョンを実現するため、空き町家・空き店舗対策、地域住民ニーズヘの対応、景観保全のためのまちなみ整備、地場木材業などの産業資源や社寺仏閣などの観光資源を活用した経済活性化を統合的に立案、計画し、実行していく組織が不可欠となりました。

2015年9月、松井市長あて手交いたしました提言書「2020桜井駅前南エリアビジョン」に推進体制のコア組織として「まちづくり会社」を位置づけました。 すなわち、事業を実効的、継続的に推進する主体として様々な利害関係が含まれつつも、リーダーシップを発揮できる体制を支え、エリアをマネジメントする組織体です。

この提言書をベースに桜井市と奈良県の包括連携協定の指定エリアとして桜井市は桜井駅前エリアまちづくり基本構想を策定し、2016年5月には奈良県との桜井駅前エリア基本協定が結ばれました。さらに、国家戦略として地方創生が重要課題として進められているなか、補助金等の支援は自ら自律的に活動しているエリアに集中配分される方針であり、この政府方針をきっちり情報収集し呼応できる機能のある組織・体制づくりが喫緊の課題となっています。こうした課題に対応し、会社設立となりました。